Trick Arch

ヒノカケラを中心に語っていました。他にも色々。

ヒノカケラの対戦常識とかその辺

    
スタートアップ記事を書こうとして躓いたので。
何に躓いたって対戦の立ち回りが本当に正しいのかどうか。自分の格ゲースタンスは周りとちょっとズレているところがあるので、自分が正しいとは今ひとつ自信がないってのと、それを除いてもこのヒノカケラではどういう立ち回りを目的としているゲームなのか不明瞭だと感じるからだ。

そう、不明瞭。というよりは曖昧と言ったほうがいいのかもしれない。
自分の中の常識を大雑把に言ってしまうと以下になる。

1:軸移動を狩る長リーチの技を始動にするのが強い
2:対空ダッシュ空投げが強い
3:上に攻撃判定が強くクリティカルが付いた技での受身狩りが強い(2の空投げも含む)

で、公式の言う目指した方向性は「頻繁にターンが移り変わるゲームにしたい」だ。

理解は出来る。JG・ガークラ・RB・CB等がそれに当たるのだろう。加えて有利を取るにはほぼゲージを使わなければならないのと、崩しが弱いということか。

ただ、そのゲーム性が正しい…と言うより面白いかどうかは別の話だろう。何せその方向性はつまるところ「ターンを取った場合の価値が薄い」ということだからだ。良く言えば一瞬のチャンスに全てをかけて相手を倒すゲームとも取れるが、ヒノカケラのシステムでそれが起こりうるかと言われると少し首を傾げる。

何せこのヒノカケラ、攻勢と守勢のバランスが曖昧だからだ。
守る手段が多すぎる上に、その手段全てか多くを潰せる選択肢が少なすぎる。加えて崩しが全体的に弱いためにチャンス自体を能動的に起こすのが結構難しいのだ。ランブルフィッシュのようにバキバキガードが割れるゲームも考えものなのだが、とにかく攻めが微妙なので動かしていて退屈に感じたりつまらなく感じる人も多いんではないかと思う。

翻って自分の常識だが、上の公式の謳う楽しみとはかけ離れている。
別に公式の言うことを何もかも否定するわけではないのだが、そんなことをしても勝率に繋がりにくいのだ。事故るリスクがあるのにJGを含めた読み合いなんてしたくはない。堅実に勝つにはこれが一番だと思う。だからこそこれが主流の立ち回りだと思う。

ぶっちゃけ格ゲーで勝つまでの理想のプロセスは相手に一切何もさせず、相手の行動を潰したりしてねじ伏せるってのが普通だろう。読み合う楽しみというのもあるが、それが一番になるってのはまずない。読み合うのは相手に痛打を与えたいからこそやるものだ。それまでのプロセスも中下段・表裏など種別はあれどシンプルな択だからこそ面白い。その理想から外れれば外れるほど読み合う労力とそれに対する報酬のバランスが崩れ、読みあい自体がつまらなくなる。能動的に相手に勝てないなんて本当に格ゲーかどうかも疑わしい。

ヒノカケラの現状の問題はここら辺だと思う。攻防を楽しむまでが迂遠な上に微妙。
JGの受付時間もVer1の初期…今だと5F近くあるのだが、初期は本当に短かった。恐らく2F程度なのは間違いない。その程度でもよかったのではないだろうか。QJもアヤのJBはかなり見づらい部類だったが、その程度の崩しがあってよかったのではないだろうか。何というか、ヒノカケラのオリジナルシステムに固執するあまり、格ゲーの基本的なモノを捨てすぎているような気がする。

立ち回りや攻防をもっとはっきりくっきり状況毎に有利不利を付けたほうがいい。それと基本的に攻めを強くした方がいい。もうはっきり言ってしまえばわかりやすいゲームシステムにした方がいい。この辺が流行らない原因だと思う。一体初心者に何から説明すればいいんだ?初心者は何を楽しみにこのゲームをやればいいんだ?誰か説明してくれマジで。

Ver1が出た当時はかなり流行ったのだが、それは対戦システム等のゲーム面がウケたのではなく、作者の技術力がウケただけだと思う。何せ当時はヒノカケラはかなりのハイレベルだった。Ver2でIRCが発足され人が集まりはしたが結局根強くやる人はほぼいなかった。残った人もぶっちゃけヒノカケラが面白いというより勝てるから面白いって感じだったのではなかろうか。

ここまでがスタートアップ記事を書こうと思って浮かんだことだ。
これをそのまま書いていいものか。「公式はこういうゲーム性目指したようだけど、曖昧すぎるし勝ちに繋がりにくいから、格ゲーの基本的な立ち回りをしたほうが無難だ」なんて書いていいものか……

今更こんなことを言ってもあれなんだろうがね…ゲームシステムに俺も一つ噛みたかったわ。今の自分ならもちっとわかりやすくするための提案も出来るだろうに。と言うか、当時バランスやデザインに噛んだ人間はこれやってて本当に面白いと思っていたんだろうか?軸移動の有用さに一番早く気づいたのが俺だった時点でろくにやってなかったんじゃないかとすら思える。しかもそれに気づいたのがVer2の中期だ。戦績も俺がトップであったし……

まぁ、作者死んだんじゃないかって思うくらいに更新ないしなぁ。
本人も凍結とか言って次作作り始めたようだけどなーんにも更新ないし。IRCにいた人も二人引退してしまった。シナリオも伏線しか残されてないし、謎が謎を呼ぶとは言うが読んでる側としてはもやもやしか残らない。

何と言うか何もかもが噛み合わないなこのゲーム。というかこの作品は。
完成して欲しいとは思うが作者が何を考え何を目指しているのかがまったくもって曖昧だ。