Trick Arch

ヒノカケラを中心に語っていました。他にも色々。

ヒノカケラのゲーム性について(近距離)

ヒノカケラのゲーム性について(中距離)にて記した近距離戦での都合について。
何故近距離戦の攻勢を維持できないのかを補足。

JGの存在と補正切りの難しさ
単純にJGというシステムが強い。正確に言えば、JG単品ではなく様々な要因が重なった結果JGが強いということになるのだが。
まずJG受付有効フレームは5Fなので相手の攻撃の初段から取ることは難しい。
しかし、一度ガードを続けると通常技>必殺技という流れと、A>B>C>必殺技という順番に向かって技の発生は遅くなっていくため、受付有効フレームを利用した予約JG(一度ガードしたらそれ以降はリズムで斜め後ろや後ろをチョイ入れする)が強い。
これに対して有効な対策は補正切りか中段となる。理由としては攻撃側が攻撃を加えた時点で防御側は予約として次のガードに集中しているからだ。そこを攻撃側が止めて再度Aから固め直すと図が出来上がる。だが、実際JGを取られている時点で攻撃側はどう足掻いても不利であり、JG特有のヒットストップからくる低速ゲームスピードは防御側を誤魔化しづらい。更には基本的にJGを続けていけば密着するため単純な投げ暴れ(投げは全攻撃中最速の技)の効果が高い。それを防ぐためのシステムがリアクティブブレイクなのだが、御存知の通りブレイクゲージを20消費する。

防御側の拒否手段の多さ
JGを主軸とした話になるのだが、そこから更に防御側の拒否手段の多さがある。
具体的にはMG、カウンターブレイク、A暴れ、投げ暴れ、Ex無敵暴れとなる。
拒否手段一つ一つの効力自体は実は然程強くない。いずれも弱点や攻撃側の対策が存在する。
MGはパワーゲージの消費が大きく、一回で離せる距離は然程多くないのでディレイがかかった攻撃以外には効果が薄い。
カウンターブレイクは多くの連携を割れる手段ではあるのだが、ブレイクゲージの消費量が60と大きい。
A暴れはCが攻撃レベル1に対してアーマーがある以上狙える場面はC以降となる。
投げ暴れが一番ローリスクではあるが、攻撃側もそれを承知して最初から投げ抜けを仕込む場合がある。
Ex無敵暴れは効力が一番高いのだが、パワーゲージ25を消費する上に、実は攻撃判定発生以降まで無敵が続く技は非常に少ない。大体が暗転後には無敵が切れているものが多い。つまりJGから生まれた隙間にEx無敵技を出せば相手が何を振っていようと割れるというわけではない。
問題はこれらの拒否手段の豊富さから明確な対策を練ることが出来ないのだ。一番確実な対策はリアクティブブレイクしか存在しない。読むにしてもそれぞれの対策手段がバラけているので読みでどうこう行えるものではない。

リアクティブブレイクとブレイクゲージ所持量の差
反確や割り込みを防ぐためにリアクティブブレイクを用いることになるのだが、そこからまた同じシーンになることが多い。前述した通りニュートラル状態=攻撃初段、JGを一番取られにくい場面となるため、ここが最初で最後のチャンスとなる。ではここから何が出来るかというと、現状では結局のところ投げか素の中段かA連打に落ち着いてしまう。
その他の行動といえばQJなどがあるが、QJから有利を更に稼ぐにしてもQJ後の行動は総じて弱い(軸移動に弱い、単純にQJからの攻撃が遅い、目立つため非常に暴れに弱い)リスクのほうが大きいと言わざるをえない。
また、リアクティブブレイクを乱発すれば当然ブレイクゲージに差は生まれる。相手は何もしなくて済むため、攻勢維持を諦めた時点でゲージ差がある状態から攻守交代となりがち。崩せればよいのだが、リアクティブブレイクを使った時点でオフェンシブブレイクを使うとはいうのはなかなか難しい。ノーゲージかパワーゲージを使ったコンボを行う他無い。
ちなみにテクニカルブレイクでも可能だが、こちらのブレイクゲージ消費量はリアクティブブレイクの2倍である。二度は使えないと思っていいだろう。

ガードクラッシュという報酬を得るまでの道のり
様々な問題をクリアして初めてガードクラッシュという報酬が得られるのだが、それをきっちり得られるかと言われるとそうでもない。そもそもJGが存在する以上、確定でガードを割れるといった状況がないと言ってもいいからだ。似非中段と呼ばれるガードクラッシュ攻撃も内部的には上段なのでそれすらしゃがみJGで処理されることがある。
そもそもガードクラッシュを引き起こしたとしても防御側のブレイクゲージが溜まってさえいればIBで返されることも当然あるし、予期せぬところで崩れて狙い以外の攻撃がカス当たりして終わってしまうことや、止めたとしても始動を安くしないと間に合わない場合もある。

崩した後の状況
コンボ終了後の状況が悪い。防御側は画面端がないというシステムに加えて空中復帰、地上受身、後方起き上がりなどの問題があるため単純に攻勢を維持することが難しい。というより起き攻めをすることが出来ない。
まず空中復帰に対してなのだがこれはまだマシとも言えるかもしれない。もっとも、高度の問題もあるので一概には言えないのだが、追いかけて下から昇る空投げで処理をしたり、アッパー系の技でクリティカルを狙いつつ地面に引きずり下ろすといった行動は中々効果的。高度の問題というのはその二つを行うまでに距離があった場合で、復帰を長い間ダッシュで追わなくてはいけない場合は空中側にいる方の行動のほうが大体強い。
地上受身はおそらく単純に追いかけることしか出来ないだろう。大体は仕切りなおしになる事が多い。
後方起き上がりはダッシュで追いかけてその後技を重ねる事になるが、重ねることの出来る技が少ないのが問題。ヒノカケラではノーゲージで有利を取れる技が少なく、また全体的に持続が短い技ばかりだ。加えて相手はダウン復帰時間を調整できるために、重ねるといった行動が単純に難しく、重ねたその後の状況が有利かと言われるとはっきり言ってそうでもない。そもそも後方起き上がりをダッシュで追いかけている時点で出せる技がほぼ限られている。アサルトならばダッシュからの2A重ねが出来るのでそうでもないのだが。ちなみに忘れてはならないのがJGの存在だ。重ねてもこれがあるため注意したい。
ちなみに例外はカスミの桜霞とカケルのボディブローの二つ。
この二つの技は地上うつ伏せダウンを奪えるため、後方起き上がりをされずにその場から確実に起き攻めに移行することが出来る。逆に言えばそのニキャラ以外は非常にやりづらいと言ってもいい。

以上の理由から近距離でファーストタッチを得られたとしても一概に有利ではないし、その有利をいつまでも維持することは出来ないし、コンボを決めることが出来ても特定キャラ以外は有利状況を作ることが出来ない。別にどの格闘ゲームでもいつまでも自分のターンを継続することは不可能なのだが、ヒノカケラはそれが特に顕著。有利が欲しければブレイクゲージかパワーゲージを使うこと。ただし有利を取っても崩しは弱く、防御側の拒否手段が多いというかなりアンバランスなゲーム性である。ターンの価値が貴重な割にはすぐ交代になることが多く、ダメージを負えばターンを仕切り直せたり逆に奪うことも出来てしまう。
いついかなる時も読み合いが発生してしまう上に、その読み合いの種類が多岐に及ぶというのは、単純にゲームシステムが洗練されていないと言ってもいいのではないだろうか。

これを考えると近距離で不確定要素が多すぎる攻防を行うよりも、まだ狙いが絞りやすい中距離で戦った方が堅実とも言える。もっともそれ以上に近距離に入るまでが難しいという単純に如何ともし難い都合もあるのだが。